深深

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メンドリジオのスタジオが終わって、帰国までの数日間でスウェーデンストックホルムに向かった。

夜にストックホルムに着いたので小雨だったのもあり初日は少しだけ散策して晩御飯を食べて帰った。次の日は朝から見たかった建物を幾つか見る。Asplund,Lewerentz途中下車しながら街中を歩く。気がつけば、日は落ちていて街に灯りが灯る。驚いたのはそのほとんどが暖色の光だったこと。住宅はもちろん、街頭、薬局ですら暖かい灯りを使う。建物の窓からはクリスマスの装飾と人の影が見える。

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街の建物は4,5階建が多く、向かい合う建物からワイヤーがかけられ、車道にランプが吊るされる。歩道には、5mm程度の砂利が撒かれていて驚いたことにその上を歩くと滑らない。ストックホルムは元々地盤が硬く、街の中には坂道が多い。この微妙な角度の坂道が凍るととんでもなく滑る。この砂利があるとないとでは大きな違いだった。雪が積もってしまえばほとんど意味がないのだけれども。

住宅はこんなに寒い土地なのに意外と窓が大きい。中心部には中世の建物も残っているが住宅のほとんどがシンメトリー、もしくはそれに近い立面で中央部に入口、その奥に階段室があり螺旋階段や曲線の使われている階段が多い。立面は基本的に低層、基本階、上層の三段構成で一階部分は基本的に階高が基本階より高い。Sergisonのミラノの立面の解説を思い出したり、ヴェネツィアとは低層のつくりが逆だとか思ったりした。街中にある現代建築もこの型を踏襲しているものが多い。これがグリッドに沿って並んでいるのでまぁ綺麗。

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3日目には森の墓地に向かう。

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冬に行って良かった。これに尽きる。0度を下回る外気と肌を刺す風、積もった雪、そして針葉樹の森。これぞ北欧。テンションが上がって寒さを忘れる。むしろ心地良くなる。-10度はもうしばらく感じれまいと、手袋と帽子を外して歩き回った。寒かった。

その日は夜まで雪が降り、車や人の通りが減る。自分の足が雪を踏む音だけが残る。それでも街は明るくて、寂しいような暖かいような美しい街だった。スウェーデンは夏にも冬にもまた行きたい。ストックホルムいい街でした。f:id:shotaronigiri:20240214235406j:image
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