2023-01-01から1年間の記事一覧

住処は山と水辺に近くあるべし

スイス鉄道の駅は、湖から山までの距離がある場合、丘の中腹に建てられることが多い。線路を挟んで湖側と山岳側に分けられる。ティチーノのほうへ行くとアルプスの急勾配により駅は次第に湖に近づいてくる。 Neuchâtel(ヌーシャテル)はスイス西部ヌーシャ…

ちょうど降り出した雨を凌ぐ傘のように、そんな素晴らしいタイミングでから傘の家を訪れた。家に上がってまず思ったことは、寒い。家に上がったのに寒いというのは、とても日本的だと思った。冬、帰宅と同時に、寒い寒いと手を擦りながら石油ストーブのスイ…

なんとなく良いを語る#04

Vororscäuser,Zürich_Sergison Bates architects 並んだ2棟の集合住宅は丘裾に位置し、北側に大きな戸建て住宅が並び南側にも丘が見える。ちょうど丘と丘の谷がSeebachの駅になっている。南側には建物を遮るものは何もなく、丘の高低差を活かした計画になっ…

なんとなく良いを語る#03

3回目の引越しを終え、新しいフラットメイトとの生活が始まった。私以外の全員がETHの学生で2人が建築学の修士で1人が経済学の修士という超エリートフラットに越してきた。部屋には大きな窓があって大体7畳くらい。キッチンとバスルームは共用でリビングル…

ナポリタンの迫害

少しずつ日が長くなっているように感じる。日本にいると気がついたらという感じだったけど、これだけ冬の日が短いと嫌でも感じるようになる。 スイスに来てからというものお昼は前日の夜に作ったものをお弁当にして持っていくというのが当たり前になった。い…

なんとなく良いを語る#02

Barbican Estate_Chamberlin,Powell and Bon 前回に引き続き旅行記編。 この旅行のベスト建築はこれでしょう。夕方に訪れたけれど、暗かったのと夜でもかなり良かったので予定を変更して次の日も訪れた。ロンドンのブルータリズムは前回のThe economistも含…

なんとなく良いを語る#01

大学4年間ですっかり遊び方を忘れてしまった気がする。どこからどこまでが遊びでそうじゃないかの区別もつかなくなってしまった。旅には建築が伴うし、建築のために旅をする。建築を学び始めてからおおよそほとんどの人間が街や建物をみる解像度が上がる。街…

雪国にて没

小さい頃、寝る前に両親の死や自分が死んだあとはどうなるかを考えすぎて眠れなくなったことがよくあった。 私たちの旅も佳境を迎え、アイスランドに到着した。 旅行記は全ての日程が終わってから綴ろうと思っていたが、今の気持ちを新鮮なまま文書に残した…

雑煮は白味噌と焼き餅

我が家には元旦の8:00にダイニングに集合するというルールがある。必ずお正月の初めのおせちとお雑煮を家族揃って食べないといけない。12月30日は家の大掃除、31日は母のおせちを手伝うことも毎年の決まりである。昼間から家中におせちの匂いが漂う。 小さい…